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現役投手のためのブログ

2013年10月17日

ALCSレッドソックス2勝1敗、上原初セーブ、田沢好投

ALCSレッドソックス2勝1敗でリード

4:00 PM ET, October 15, 2013
Comerica Park, Detroit, Michigan

Red Sox 1   Tigers 0

123456789RHE
BOS000000100140
DET000000000061




W: J. Lackey (1-0)
L: J. Verlander (0-1)
S: K. Uehara (1)

 アメリカンリーグ決定戦第3戦が10月15日、タイガースの本拠地コメリカパークで行なわれました。タイガースの先発はポストシーズン無失点と好調のジャスティン・バーランダー、レッドソックスの先発はジョン・ラッキー。

 試合は投手戦となり、レッドソックスは5回2アウトまでノーヒット、2回、3回と6者連続三振を喫しました。ジョン・ラッキーも6回まで3安打無失点に抑え、7回を迎えました。

 均衡を破ったのはレッドソックスでした。

 7回表、1アウト、フルカウントから6球目96マイルのフォーシームをマイク・ナポリが左中間にホームラン。レッドソックスが1対0と先取点を取りました。

 7回裏、レッドソックスは2アウト1塁の場面で、ラッキーに代えて左腕クレイグ・ブレスロー Craig Breslowを登板させます。打者に左打席のアレックス・アビラAlex Avilaを迎えたので、セオリー通りに左投手に交代させたようです。ラッキーは交代に不満の態度を見せてマウンドを降りました。まだ98球しか投げておらず、4安打、無四球と好調であったので、もっと投げたかったようです。
 ブレスローはこの回を無失点で切り抜けます。

 8回表、ブレスローは先頭打者を見逃し三振に打ち取ります。次の打者に四球を与えたところで、田沢投手と交代します。
  トリー・ハンターTorii Hunterにライト線を破るヒットを打たれ、1アウト1塁、3塁となります。
 次の打者は、大リーグ最高の打者、昨年の3冠王で今年はそれ以上の成績を残しているミゲール・カブレラ。
 通常であれば上原投手に代わる場面ですが、ファレル監督は田沢投手を続投させます。

 この対戦がこの試合一番のハイライトとなりました。田沢投手を続投させたのには理由がありました。上原投手は過去4打席で2本塁打を喫していたことがまず第一。カブレラは内角は強いが、外角に弱く、とりわけ外角の速球の打率が低いことです。外角に速い球を投げるのがカブレラを打ち取るのに最も有効だったので、速い球のある田沢投手を選択したのでした。
 
 田沢投手は4球続けて外角に速球を投げました。

 田沢投手対ミゲール・カブレラの対戦

  • Pitcher
    J. Tazawa
  • Batter
    M. Cabrera
SpeedPitchResult
194Fastball (Four-seam)Swinging Strike
295Fastball (Four-seam)Swinging Strike
394Fastball (Four-seam)Ball
494Fastball (Four-seam)Swinging Strike


1、2球目空振り、3球目ボール、4球目は外角のボール球で空振り三振

2アウト1塁、3塁となったところで上原投手と交代。
打者はプリンス・フィルダー。

上原投手対プリンス・フィルダーの対戦

  • Pitcher
    K. Uehara
  • Batter
    P. Fielder
SpeedPitchResult
189Fastball (Four-seam)Foul
289Fastball (Four-seam)Swinging Strike
381SplitterFoul Tip


1球目、速球ファウル、2球目速球空振り、3球目スプリッター空振り三振(バットにかすったFoul Tip)

9回の裏、1対0とレッドソックスがリード、上原投手続投。
先頭打者にレフトにヒットを打たれますが、ジョニー・ぺラルタJhonny Peraltaをショートゴロでダブルプレイ。
次の打者アレックス・アビラAlex Avila を7球目スプリッターで三振に打ち取りゲームセット。
レッドソックスが対戦成績を2勝1敗とリードしました。

(MLB.com Wrapより)
Lack for nothing:
何も不足していない
Lackは不足の意味:投手LackyのLackを引っ掛けている
Sox deny Tigers
ソックスはタイガースを拒絶

John Lackey threw 6 2/3 innings of a combined shutout as Red Sox pitchers made Mike Napoli's seventh-inning home run off Justin Verlander stand up in Game 3 of the ALCS. Verlander fanned 10 in eight dominant innings, but the Tigers fell behind, two games to one.
アメリカンリーグ決定戦第3戦で、ジョン・ラッキーは6回2/3イニングを投げ、リリーフ陣と合わせて完封しました。マイク・ナポリが7回、ジャスティン・バーランダーから放ったホームラン(の1点)をレッドソックスの投手陣は守りきりました。バーランダーは8回を投げ、圧倒的な投球を見せ、10三振を奪いましたが、タイガースは1勝2敗と後退しました。

Lackey's scoreless start
ラッキーの無失点登板(動画)
10/15/1302:23
10/15/13: John Lackey scatters four hits over 6 2/3 scoreless innings, striking out eight in Game 3 of the ALCS
ジョン・ラッキーはアメリカン・リーグ決定戦第3戦で6回2/3イニングを散発4安打無失点に抑え、8三振を奪います

Napoli's solo homer
ナポリのソロホーマー(動画)
10/15/1300:52
10/15/13: Mike Napoli breaks the scoreless tie with a solo homer in the seventh inning
マイク・ナポリは7回、ソロホーマーで0対0の均衡を破ります

Verlander's strong start
バーランダーの力強い登板(動画)
10/15/1303:18
10/15/13: Justin Verlander scatters four hits over eight innings of one-run ball, striking out 10 against the Red Sox
ジャスティン・バーランダーは8回を散発4安打1失点に抑え、レッドソックスから10三振を奪います

Lights out at Comerica
球場の灯りが消える
電力の異常で照明のいくつかが消え、試合が中断されました

Koji shuts the door
上原浩治が試合を締めます(動画)
10/15/1300:42
10/15/13: Koji Uehara strikes out Alex Avila to shut the door on Game 3 of the ALCS
上原浩治はアメリカンリーグ決定戦第3戦でアレックス・アビラを三振に打ち取り、試合を締めます
posted by HANG IN THERE YU at 10:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | MLB | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月15日

ALCS上原投手1勝、レッドソックス逆転勝利1勝1敗タイ

 レッドソックス逆転勝利
8:00 PM ET, October 13, 2013
Fenway Park, Boston, Massachusetts

Tigers 5    Red Sox 6

123456789RHE
DET010004000581
BOS000001041671




W: K. Uehara (1-0)
L: R. Porcello (0-1)


 10月13日、ALCSアメリカンリーグ・決定戦第2戦が、レッドソックスの本拠地フェンウェイパークで行なわれました。タイガースの先発は今年のサイ・ヤング賞最有力のマックス・シャーザーMax Scherzer(シーズン21勝3敗、防御率2.90)、レッド・ソックスはクレイ・バックホルツClay Buchholz(シーズン12勝1敗、防御率1.74)。

 第1戦を1安打完封負け(17三振)したレッドソックスは6回2アウトまでノーヒットで5対0と負けていました。第1戦も アニバル・サンチェスAnibal Sanchez に6回をノーヒットに抑えられた、レッドソックスは今日はノーヒット・ノーランを喫する恐れがありました。

 しかし、2番シェーン・ビクトリーノShane Victorinoが2アウトからヒット。3番ダスティン・ペドロイアDustin Pedroiaの2塁打で1点を返し5対1。

 8回の裏、レッドソックスはシャーザーと交代したリリーフ陣を攻めます。

 アウト、2塁打、四球、三振、ヒットで2アウト満塁となります。ここで4番DHのデイビッド・オルティスDavid Ortizが右翼に満塁本塁打を放ち5対5の同点となります。

 9回表、5対5の同点の場面で、レッドソックスは上原投手が登板。

 3者凡退に抑えます。

1人目は4球目、セカンドフライ。
2人目は3球三振。
3人目は2球目ショートフライ。

 9回裏、先頭打者ジョニー・ゴメスJonny Gomes がショート内野安打。送球エラーで2進。 次の打者は捕手のジャロード・サルタラマッキアJarrod Saltalamacchia。走者、ワイルドピッチで3進。
サルタラマッキアはレフトにヒットを放ち、レッドソックスが6対5でサヨナラ勝ち。レッドソックスは対戦成績を1勝1敗のタイとしました。
 上原投手が勝ち投手になりました。

 
(MLB.com より)
Sox Salt Tigers' wound after Papi's slam
ソックスはパピー(オルティスのニックネーム)の満塁ホームランでタイガースの窮地に乗ずる
※Salt Tigers' wound :直訳すると、タイガースの傷に塩をまく。つまり、相手の弱い所をついてさらに窮地におとし入れること。
サヨナラヒットを放ったのはSalty(捕手Saltalamacchiaのニックネーム)

Max Scherzer didn't allow a hit until the sixth and left after seven with a 5-1 lead, but David Ortiz hit a game-tying grand slam off Tigers closer Joaquin Benoit in the eighth and Jarrod Saltalamacchia delivered a walk-off single in the ninth as the Red Sox claimed Game 2 of the ALCS.
マックス・シャーザーは8回に6回まで、ヒットを許さず、5対1とリードをしたまま7回まで投げました。しかし、デイビッド・オルティスは8回に、タイガースのクローザーのホアキン・ベノイトから同点となる満塁ホームランを打ちました。そして、ジャロード・サルタラマッキアは9回にクローザーのホワキン・ベノイトからサヨナラヒットを放ち、レッドソックスはアメリカンリーグ決定戦の第2戦に勝ちました。


Salty's walk-off single
ソルティーのサヨナラヒット(動画)
10/13/1301:58
10/13/13: Jarrod Saltalamacchia rips a single through the left side of the infield to score Jonny Gomes for a 6-5 walk-off victory
ジャロード・サルタラマッキアは内野のレフト線を破り、ジョニー・ゴメスが得点し、6対5でサヨナラ勝利をもたらす

Ortiz's game-tying grand slam
オルティスの満塁ホームラン(動画)

Scherzer's stellar start
シャーザーのすばらしい(光り輝く)登板(動画)


posted by HANG IN THERE YU at 00:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | MLB | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月29日

松坂大輔投球分析

 松坂大輔投手は大リーグに移籍して活躍できたのは最初の2年間だけで、2011年には肘を故障しトミー・ジョン手術を受けています。

 松坂投手の投球フォーム上の問題点はどこにあるのか?

 横からのスローモーションを見ればよくわかります。

2009年WBCの時の映像です。これを境に活躍できなくなりました。

daisuke matsuzaka 2009wbc side view.gif
ワインドアップ時、上体が後に倒れたままで、前足を着地した時もまだ上体は後傾したままです。後傾したまま腕を振っているので、重力に逆らった投げ方になっており肘、肩に大きな負担がかかっています。ボールのリリースポイントも左肩に比べて十分前に来ていません。

 その原因は、前脚を下ろすときに左の股関節を前に押し出すようにして(タメを作るというのでしょうか?)上体を2塁方向に傾けすぎたままにしているからです。
daisuke matsuzaka 2009wbc side view front leg swing.gif


daisuke matsuzaka 2009wbc side view back leg drive_10.jpg
 そのため、軸足を強く蹴り出しても上体の傾きは元に戻らず、前足を着地したときもまだ後傾したままです。投球段階で加速時に入っても腕は重力に逆らって、空に向かって振り出されています。重力を利用して腕を振り下ろす時間がほとんどない投げ方になっています。
daisuke matsuzaka 2009wbc side view back leg drive.gif

松坂投手2013年、ニューヨーク・メッツでの初登板

@投球後半に上体が一塁側に向く大リーグの投手に多く見られるような投球フォーム
matsuzaka20130824.gif
matsuzaka20130824s1.gif

A腰の捻りが主体の投球フォーム
matsuzaka20130824side.gif
matsuzaka20130824sides1.gif

上体の傾きによって、フォームが大きく変わってしまいます。@は上体の前傾が、Aに比べてわずかに小さくなって、体の重心はより一塁側に来ています。
matsuzaka20130824deview6frames520.jpg


 松坂投手は投球フォームが安定していません。これは昔の投球フォームでもそうです。全体的にAのフォームの方がが多く、まだ大リーグ流の投球フォームに完全に進化したとは言えません。腕の角度は昔に比べて低くなり、腰の捻りを使った打撃フォームのような投球フォームが一番多く見られます。ホームランバッターの打撃フォームには似ていません。ホームランバッターはみんな骨盤の回転が速くかつ大きいからです。左足の着地位置はホームプレート方向よりも一塁側にずれて(アウトステップ)います。これは腰の捻りを大きくするために行なっているのでしょう。

松坂投手の一番の問題点は?

問題点:ヒップファーストによるホームプレート方向への重心移動

 松坂投手は、左脚を一番高く上げた状態から、左の股関節を極端に前に突き出し、体の重心をホームプレート方向にずらしながら、重力を利用して重心をホームプレート方向に移動させています。その結果、左肩が上がり、右肩が下がり、上体の軸が2塁方向に後傾し、前屈みの姿勢になっています。この姿勢だと、骨盤はうまく回っていきません。上体が開かない(ホームプレート方向に向くこと)ようにして腰の捻りを大きくするためなのか、軸足を強く蹴るためなのか松坂投手の狙いははっきりしません。

 ヒップファーストによる重心移動の弊害

 体の重心を下げて左の股関節を前に出す動作では、重心を下げた分だけ位置エネルギーが失われます。右脚は完全なばねではないので、エネルギーは回収できません。右脚の下腿(脛)の前傾は大きくなり、右の股関節の内旋、屈曲も大きくなりますが、うまく利用できていません。
 上にのべたように骨盤が回転しない姿勢なので、遅れたタイミングで骨盤を回転させようと思ってもすでに右の股関節が伸びきってしまっているので、骨盤は勢い良く回っていきません。右の股関節を伸展することで骨盤の右側が押され、骨盤は素早く回っていくのですが、それができていません。
 上体が後傾したまま、腕が回転して行くので、腕は重力に逆らうことになり、肩、肘に負荷がかかります。もし上体が前傾していれば、腕、肘は重力によるトルクが発生し、腕、肘の遅れが発生しにくく、怪我をしにくくなると思います。
 また、骨盤が回転して行かないので、前足を着地してから腰の捻りで腕を回転させているので、腕は急加速で回転させることになり、これも肩、肘に大きなストレスがかかる原因となります。

骨盤を回転させる方法

 ワインドアップして軸足で体を支え、左脚を一番高く上げた状態から、右股関節の外旋、右股関節の伸展、右足関節の伸展、足の指の関節の伸展を順番に利用します。膝関節も伸ばしますが、重心の移動は水平方向なので膝関節は意識しないでもよいと思います。

 前脚(左脚)の使い方(右投手の場合)

 左脚はワインドアップして軸足で体を支え、左脚を一番高く上げた状態から、投球を開始するためのスターターの役割を果たします。
 左脚の使い方に触れませんでしたが、左脚を高く上げることで左脚に位置エネルギーを蓄えます。左脚を下ろすことで、右の股関節の外旋のきっかけとなります。左脚を使うことで右の股関節の外旋が楽に行なえるようになります。また、左脚を素早くホームプレート方向に下ろすことで、体の重心が素早く軸足からホームプレート方向にずれるので、重力によるトルク(体重×重心と軸足までの距離)により、体全体がホームプレート方向に回転しようとするので、体の重心も楽に素早くホームプレート方向に移動します。
 
 骨盤を回転させる上で必要な姿勢

 上体が前屈のままになっていると、骨盤はうまく回転しません。前屈した上体を垂直にし、軸足の踵を早めに浮かし爪先側の拇指球あたりに荷重点を持ってくると、重心と拇指球を結んだ軸が背中側(一塁側)に傾くので、左脚にかかる重力によるトルクにより、骨盤が回転してゆきます。バランスが良いこと、軸足を外旋させやすいこと両面から、軸足の荷重点は最初土踏まずにあるのが良いでしょう。
 さらに、前屈した上体を垂直にし背筋をまっすぐにする長所は、慣性モーメント(回転のしにくさを示す、回転軸からの距離の2乗に比例する)が小さくなり回転がしやすくなることです。  

 エネルギー効率の良い体の使い方

@前傾姿勢

A体を一本の軸のように、あまり関節を深く曲げない

@、Aを実践するための練習
⒈背筋をまっすぐ伸ばし垂直にし、膝も完全に伸ばしたまま、セットポジションで構える。
⒉前足を素早く浮かす。
 軸足(後ろ足)はホームプレート方向への力を地面から受け、体の重心はホームプレート方向に加速してゆきます。

 今度は膝を曲げた状態で行なうと、体の重心の加速は弱くなります。両足では片足に体重の半分がかかっていたのが、前の足を上げると、軸足に全体重がかかるようになり、軸足側の膝がさらに曲がり、地面から受ける力を吸収してしまい、力がうまく伝わらないためです。
 膝、股関節は必要以上に深く曲げず、軽く曲げるぐらいの方がエネルギー効率は良いと言えます。その方が楽に球速も上がります。
 
posted by HANG IN THERE YU at 23:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | MLB | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする