記事一覧

2013年05月31日

2013年度、大リーグで活躍が目覚しい若手投手

 今年の大リーグは若手投手の活躍が目立っています。成績表をみると、26歳以下の投手が成績上位を占めています。

 その中で将来性を含めて注目すべき投手を2人挙げてみましょう。

 昨年から注目されていた選手はニューヨーク・メッツのマット・ハービーMatt Harvey(24歳)です。今年のサイヤング賞候補の一人といっても言い過ぎではないと思います。今年はダルビッシュ投手と同じく1安打ピッチング(完全試合にあと少し)も記録しています。

 5月25日現在、5勝0敗、防御率1.93、被打率.169、WHIP 0.83

 ニューヨーク・メッツは打線が弱く(大リーグ30球団中下から2番目.227、最下位はマイアミ・マーリンズ.221)勝ち星が伸びませんが、被打率、WHIP(1イニングで平均、何人、安打、または四球で塁に走者を出したか)はクレイトン・カーショーについで2位です。
 クレイトン・カーショーは防御率もトップの1.35で、大リーグ通算防御率も2.69と先発投手としては大リーグ史上に名が残る選手です。同じドジャースで活躍した伝説の左腕投手サンディー・コーファックスの2.761を上回っています。

 マット・ハービーの将来性を感じさせるのがまず球速です。
 マット・ハービーの平均球速は94.8マイルで先発投手としては3位タイです。
 1位はワシントン・ナショナルズのステファン・ストラスバーグStephen Strasburgの95.4マイルです。
 2位はシカゴ・カブスのジェフ・ザマージャJeff Samardzijaの95.0マイルです。
 
 マット・ハービーがすごいのは速球だけではありません。スライダー、カーブ、チェンジアップといった変化球も平均以上のできです。
 マット・ハービーは投球フォームも優れています。緩やかなフォームからボールを投げていて、フォームからは球速は感じさせませんが、上記のように球速があります。肘、肩に負担がかからない投球フォームだと言えます。腕を背中側に大きく引かないで、肘もあまり曲げない投げ方をしています。
 腕の振りが非常に速く見える投手は怪我をしやすい投げ方をしていると言えます。下半身をうまく使っておらず、肩、肘の動きだけが目立つので、腕の振りが体に比べて相対的に速く見えるからです。

 マット・ハービーの1安打ピッチング(動画)

Must C: Classic05/07/1302:08
5/7/13: Matt Harvey overcame a bloody nose to throw 6 2/3 perfect frames and finish the game with a career-high 12 strikeouts
マット・ハービーは鼻血にもめげずに6回2/3イニングをパーフェクトに抑え、自己最多の12三振で完封しました
matt harvey one hitter 2013.gif

Updating the Top 100 Pitchers in Baseball in 2013
2013年度、大リーグトップ100投手(更新)
BY JOEL REUTER (FEATURED COLUMNIST) ON MAY 22, 2013
 
6. SP Matt Harvey, New York Mets
6位 マット・ハービー、ニューヨーク・メッツ
I may be jumping the gun a bit here by putting Matt Harvey at No. 6, but I see no reason to believe he's not the real deal and every bit as good as his numbers indicate, even at 24 years old.
マット・ハービーを6位にランクしたことは少し早まった行為(フライング)かもしれません。しかし、まだ24歳ではあるけれど、彼の成績が示す通りどこからみてもすばらしく、本物でないと信じる理由はどこにもみあたりません。

The right-hander made 10 starts for the Mets down the stretch last season, going 3-5 with a 2.73 ERA and 10.6 K/9. Jon Niese got the Opening Day nod, but it was clear that Harvey had the talent to be the ace of the staff.
この右腕は昨シーズン終盤にメッツで10試合に登板し、3勝5敗、防御率2.73、奪三振率10.6/9回という成績を残しました。ジョン・ニースが開幕日に登板しましたが、ハービーがチームのエースとなる才能を持っていることは明らかでした。

With a fastball that consistently sits in the high 90s and a filthy slider, he has overpowering stuff, and he's used it to go 5-0 with a 1.93 ERA and 9.5 K/9 through his first nine starts this season. There will no doubt be some drop in those numbers as the season progresses, but there's no reason to think that he's not a legitimate Cy Young candidate in 2013.
彼にはコンスタントに90マイル後半を出す速球と厄介なスライダーがあり、打者を圧倒する力があります。このおかげで、彼は今シーズン最初の9度の先発で5勝0敗、防御率1.93、奪三振率9.5/9回という成績を残しています。シーズンが進めば、この数字がある程度落ちるのは間違いありませんが、彼が2013年度のサイヤング賞候補にふさわしくないと考える理由はどこにも見当たりません。


もう一人の注目の若手投手パトリック・コルビンPatrick Corbin

アリゾナ・ダイアモンドバックスの若手左腕投手(23歳)で5月30日現在の成績は、
8勝0敗、防御率1.71、奪三振率7.4、四球率2.6とナショナルリーグのサイヤング賞を取りそうな勢いがあります。
 コルビンの球種は4つで、投球比率は速球がツーシーム50.2%、フォーシーム19.2%、変化球がスライダー19.2%、チェンジアップ9.4%です。
 コルビンの投球パターンはツーシームでゴロを打たすか、カウントを稼ぎ、2ストライクに追い込むとスライダーで三振を狙いにいくと言って良いでしょう。
 コルビンのスライダーの空振り奪取率は28.2%(100球投げたら28球で空振り)、スウィングした場合その53%で空振りを奪っています。初球ストライク率は70.2%と高くヤンキースのフィル・ヒューズPhil Hughesの70.8%についで第2位です。
 
 パトリック・コルビンは昨シーズンは6勝8敗、防御率4.54でした。今シーズンはローテーションの5番手として投げていて、それほどの期待はされていませんでしたが、今年、大ブレークの様相です。

 コルビンの大ブレークの要因

@速球の球速が91.3マイルと昨年よりも1マイルほど速くなった。
➁初球ストライク率が58.6%から今年は70.2%と上昇している。
B速球の比率はほとんど変わっていないが、ツーシームの占める比率が38.9%から50.2%と上昇した。
 その結果、ストライクゾーンに投げてゴロを打たすか、ファウルでカウントを稼ぐことが出来るようになっ た。 
Cスライダーの比率が16.4%から21.9%と上昇した。その分チェンジアップの比率が下がった。
Dホームランを打たれる比率が1.18から0.40と大幅に減少して防御率が大幅に改善した。

コルビンの初完投勝利(動画)
Corbin's first complete game 05/21/13 | 00:01:56
5/20/13: Patrick Corbin strikes out 10 vs. the Rockies in the first double-digit strikeout and complete game of his career
パトリック・コルビンはロッキーズ戦で10三振を奪い、初完投勝利を挙げる。2桁三振は初めてです。

コルビンのスライダー
patrick corbin 2013 cl game.gif


Updating the Top 100 Pitchers in Baseball in 2013
2013年度、大リーグトップ100投手(更新)

21. SP Patrick Corbin, Arizona Diamondbacks
21位 パトリック・コルビン、アリゾナ・ダイアモンドバックス
By far the biggest surprise of any of the 2013 breakout stars, Patrick Corbin gave no indication prior to the season that he was in line for a monster year and was not even expected to break camp in the Diamondbacks rotation.
2013年にブレイクした選手の中では断然パトリック・コルビンが最大の驚きです。彼はシーズン前は、今年が大飛躍の年になるという兆候は見せていませんでした。そしてダイアモンドバックスの(春季)キャンプを離れダイアモンドバックスのローテンションに入ることさえ期待されていませんでした。

In 2011, Corbin went 9-8 with a 4.21 ERA in a full season at Double-A, and while he was one of the Diamondbacks' better pitching prospects, he was never anywhere near any Top 100 lists.
2011年にコルビンは2Aでフルシーズン投げ、9勝8敗、防御率4.21でした。そして、ダイヤモンドバックスでは将来有望な投手の一人ではありましたが、トップ100のリストに載るような位置にいることは決してなかったのです。

He split last season between the minors and Arizona, going 6-8 with a 4.54 ERA in 22 games (17 starts) for the Diamondbacks and entered camp competing with top pitching prospect Tyler Skaggs for the No. 5 starter spot.
彼は昨シーズンはマイナーとアリゾナを行ったり来たりでした。ダイアモンドバックスでは22試合(先発が17回)投げて6勝8敗、防御率4.54でした。そしてローテーションの5番目の座を最も有望な投手の1人であるタイラー・スカッグスと春季キャンプで競いました。

He came away with the job, and in nine starts so far this season, the left-hander is 7-0 with a 1.44 ERA and 51 strikeouts in 62.1 innings. His 273 ERA+ is the best mark in the NL, and he has gone at least six innings and allowed no more than two runs in each of his starts.
彼は(先発の)仕事を得てキャンプを離れました。今シーズンこれまで9度先発して、7勝0敗、防御率1.44、62.1イニングで51三振を奪いました。彼の修正防御率(球場の広さで補正した防御率で100が平均値)273はナショナルリーグで最高です。そして彼は少なくとも6イニングを投げ、いずれの先発でも2点以上を許しませんでした。

He seems like the most likely to regress of any of the fast-climbers on this list, so I'm not willing to rank him any higher just yet, but he has earned his place in the Top 25 so far this season.
彼はこのリストに急遽載った選手の内では最も成績が後退しそうに思えます。だから、私はまだ彼をもっとランクの上位に乗せる気にはなっていません。しかし、今シーズン彼はこれ迄のところトップ25位に着けています。
posted by HANG IN THERE YU at 19:47 | Comment(2) | TrackBack(0) | MLB | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大リーグの宝石であるブルージェイズのショートストップ川崎宗則を大事にする16の理由

 川崎選手は5月16日、サヨナラ2塁打を放って、ヒーローとなり、試合後の衝撃的なインタビューで一躍大リーグの人気者になった感じです。

 その余韻はいまだ続いています。

 翌日に出された記事を紹介します。

パブロ・サンドバルの腕に反応する川崎選手
pablokawasaki.jpg 


POSTED MAY 17, 2013
16 Reasons to Treasure Blue Jays Shortstop Munenori Kawasaki, the Jewel of MLB
LISTS

大リーグの宝石であるブルージェイズのショートストップ川崎宗則を大事にする16の理由

BY BRETT SMILEY

Toronto Blue Jays shortstop Munenori Kawasaki currently leads the majors in personality, and nothing else. The 31-year-old is batting .235 in this, his second year since jumping to MLB from the Japanese League, while serving as a fill-in for the injured Jose Reyes. Yet to judge him based on his baseball skills−particularly in Toronto, where there’s such little emphasis on baseball skills−would be to miss the point entirely. Rather, it’s better to form your opinion on Kawasaki based on his reaction to Pablo Sandoval’s full arm piece (above), or him telling the Toronto Star, “I’m always serious − Japanese style. I’m serious like a samurai.” Those are just two of the reasons the utility infielder is the most entertaining man in baseball. Here are 16 more.

トロント・ブルージェイズのショートストップ、川崎宗則は現在、個性の面で大リーグをリードしています。それ以外の何者でもありません。31歳は日本のリーグから大リーグに進出して2年目の今年、怪我をしたホセ・レイエスの代役を勤めながら、打率.235の成績を残しています。でも彼を野球の技術面から、(特にトロントでの成績から、ここでは野球の技術面ではほとんど特筆するものがないので)判断するとまったく大事な点を見逃してしまいます。むしろ、川崎に対する意見は、彼のパブロ・サンドバルの腕全体のタトゥー(刺青)への反応、あるいは彼がトロント・スター(カナダの新聞)へ語った内容「僕はいつも真剣です(これは日本流です)。僕はサムライのように真剣です。」を参考にしたほうが良いと思います。この2つこそがこのユーティリティーな内野手(3塁でも2塁でもどこでも守る使い勝手の良い選手)が大リーグで最高のエンターテイナー(みんなを楽しませてくれる人)である理由です。以下にさらに16の理由を挙げておきます。

1. He became a Mariner in 2012 because he demanded it.
彼は自分から望んで2012年にマリナーズの選手になりました。

2. His famed pre-game stretching ritual.
彼の有名な試合前のストレッチングの儀式

3. Actually, he stretches any time there’s an opportunity.
実際、彼はチャンスさえあればいつでもストレッチをしています。

4. He batted .192/.257/.202 in 115 plate appearances with the Mariners, yet fans were so devoted to him that there was an outcry when he got cut.
彼はマリナーズでの115打席で、打率.192、出塁率.257、長打率.202の成績を残しました。それでも、ファンは彼の虜になっていたので、彼が(マリナーズを)クビになった時は、泣き叫びました。

Ryan @Camden409

They released Kawasaki? I'm done with the Mariners. Trade Felix to Japan or whatever to get him back.
マリナーズは川崎をクビにしたのか? マリナーズのファンはもう辞めた! 彼を取り戻すためにフェリックス(ヘルナンデス)でも何でも日本にトレードに出してしまえよ!
7:51 AM - 25 Oct 2012


Michael Preston @RM_Preston

WHY MARINERS????? WHY MUST YOU TAKE MY KAWASAKI AWAY????
どうしてマリナーズは? どうして私の川崎を連れて行ってしまうんだ?
6:54 AM - 25 Oct 2012


Britton Ransford @bkransford

I'll miss you, Munenori Kawasaki. You will forever be the best male cheerleader-turned-baseball player to ever play the game. #SayonaraMune
川崎宗則、私はあなたががいなくなって寂しいよ! あなたは永久に男性で最高のチアリーダー(いや、訂正します)、野球ではいまだかつてない野球選手です。さよなら、ムネ
6:38 AM - 25 Oct 2012

5. One fan made this tribute video set to “What Makes You Beautiful” by One Direction.
一人のファンがOne Directionというグループの“What Makes You Beautiful”(どうしてそんなに美しいの)という曲に乗せてこのトリビュート・ビデオ(川崎選手を称えるビデオ)を作りました。

6. Blue Jays fans have also made a video for Kawasaki…
ブルージェイズのファンはさらに川崎のためのビデオをつくりました。以下のような・・・(川崎選手をオールスターゲームでショートとして出場させるためのキャンペーン・ビデオ)
Created by The Citizens United to Yell “Kawasaki!!!!” Super PAC, the purpose of video/Jhonny Peralta attack ad is to support an All-Star write in campaign for Kawasaki at shortstop. The faux-official press release reads in part: ”The WAR-mongers has not developed a number for it but it is obvious that no one is more suited to twirling bats, talk to his helmet, do a Lo Viste-Bow, or mount a teammate, than Munenori Kawasaki. And isn’t that what baseball’s founders would have wanted?”
「カワサキ!」と叫んで団結する市民グループによって結成された、川崎選手のオールスター選挙支援団体Super PAC(政治用語では特別政治活動委員会という意味、選挙のときの支援団体、選挙事務所と言った感じです)、ビデオの目的、競争相手のデトロイト・タイガースのショートであるジョニー・ペラルタへの攻撃広告は川崎のオールスターゲームへのショートストップとしての出場のための書き込みキャンペーンを支援するためのものです。報道機関向けの資料の一部には次のように書いてあります:「野球のセイバーメトリクス崇拝者(WARがその代表的な指標)はその数値をまだ算出していませんが、バットをくるくる回したり、自分のヘルメットに話しかけたり、お辞儀ロビステのポーズをしたり、チームメートの上に乗っかったりすることに、川崎宗則よりも似合う選手はいません。そして、それが野球を発案した人達が最も望んでいたことではないでしょうか」


7. He once mounted Casper Wells during an on-field celebration.
彼は以前、グラウンドでの祝福の際、キャスパー・ウェルズの上に覆いかぶさりました。

8. He honors his teammates with bows, hugs and head pats.
彼はチームメイトをお辞儀、抱擁、頭を軽く叩くこと、で称えます。

9. This is how he dances in the dugout.
これはダッグアウトでの彼のダンスのやり方です。

10. He suffers from no language barrier.
彼は言葉の壁に苦労しません。
Kawasaki hasn’t yet mastered the English language but he communicates through laughter, dance and some words. (Make sure the check the bit at 2:04.)
川崎はまだ英語をマスターしていませんが、彼は笑いと踊りを通していくつかの言葉を伝えています。

11. He’s got his own fan section now at Rogers Centre.
彼は現在、ロジャーセンター(ブルージェイズの本拠地球場)に彼専用のファンの応援コーナーを持っています。
How many utility players can say that?
ユーティリティープレイヤーでこれが言える選手がはたして何人いるだろうか?

12. Somehow this is how he landed on the ground after getting hit by a pitch in the ankle.
どうやったのかはわかりませんが、これは彼がくるぶしに死球をもらって地面に着地する様子を示しています。

13. He once visited an injured fan in the stands.
彼はかつて、スタンドで怪我をしたファンの所を訪ねたことがあります。
After a foul ball hit her in the face during pre-game batting practice.
試合前の打撃練習でファウルボールが女性の顔面を直撃した後に


14. He sported this mustache for a period last year.
彼は昨年の一時期、口髭を生やしていました。

15. His fake steal attempt looked like this.
彼のみせかけの盗塁の試みはこうでした。

16. All he wants the fans to do is shout and drink beer.
彼がファンに望むのは叫んでビールを飲んでくれることだけです。
“The only thing I hope the fans do is just enjoy it and shout, even bad things,” Kawasaki said. “Just release their stress, just drink beer and watch the games. If I was a baseball fan I would just drink beers and shout during the game.”
「私がファンに唯一望むのは野球を楽しんで叫び声をあげてくれることだけです、それが良くないことであってもです。」川崎は言いました。「ただストレスを発散して、ただビールを飲んで、試合を観戦してください。私が野球ファンだったとしたら、試合中ただビールを飲んで叫び声をあげると思います。」
posted by HANG IN THERE YU at 13:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | MLB | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月29日

川崎宗則選手9回サヨナラ2塁打で人気爆発

1:07 PM ET, May 26, 2013
Rogers Centre, Toronto, Ontario

   Orioles 5    Blue jays 6

123456789RHE
BAL0200001025140
TOR0001000146121





W: S. Delabar (4-1)
L: J. Johnson (2-5)

 川崎選手がサヨナラ2塁打

 9回裏2アウト、1塁、3塁で打者は川崎宗則選手。スコアは5対4でまだ1点負けていました。

 ここで、川崎選手左中間深くにスライスする当たりを放ちました。走者2人とも生還して、ブルージェイズが9回に4点を返して逆転のサヨナラ勝ち。川崎選手がヒーローになり、勝利インタビューでも球場を沸かしました。ブルージェイズが今シーズン最高の勝ち方をしました。
 川崎選手は8回にも1アウト満塁のチャンスでセンター前にタイムリーヒットを放ち1打点を挙げました。この日は今シーズン初めて3安打を放ち、今シーズンで最高の活躍をしました。

 川崎選手の人気はさらに上昇しそうです。

kawasaki unforgettable interview 20130526.JPG

Clutch Kawasaki, Blue Jays pull off amazing walk-off
勝負強い川崎、ブルージェイズは驚くようなサヨナラ勝ちをもぎ取りました

Shortstop caps career day with winning double in four-run ninth inning
ショートストップは4点を挙げた9回に、自己最高の活躍を勝利を呼ぶ2塁打で締めくくりました

By Evan Peaslee / MLB.com | 5/26/2013 7:00 PM ET

TORONTO -- It took a while, but Toronto's offense finally came alive when it mattered most.
トロント--しばらくかかりましたが、トロントの攻撃陣は最も大事なところでとうとう息を吹き返しました

After managing only one run and loading the bases in both the seventh and the eighth, things turned in their favor in the ninth, and an unlikely hero was there to do it.
7回と8回に満塁のチャンスでかろうじて1点づつを挙げた後、流れは9回にやってきました。そして、もっともありえないヒーローがそれをやり遂げるために打席に立ちました。

Diminutive shortstop Munenori Kawasaki hit a game-winning double in the ninth off of Orioles closer Jim Johnson as part of a four-run ninth to seal the come-from-behind victory, 6-5, over Baltimore on Sunday at Rogers Centre.
小柄なショートストップ川崎宗則は9回にオリオールズのクローザー、ジム・ジョンソンから勝利を決める2塁打を放ち、ロジャースセンター(ブルージェイズの本拠地球場)でのボルチモア戦で、9回に4点を挙げ6対5として逆転勝ちを締めくくりました


"My teammates gave me an opportunity. I wanted to do something about it," Kawasaki said in his best English.
「チームメイトがチャンスを作ってくれました。何とかそれを生かしたいと思いました」川崎は自分の最高の英語で語りました。

With runners on the corners and the Blue Jays down to their final strike, Kawasaki -- Toronto's first Japanese-born position player -- hit a slicing double into the gap in left-center field, scoring Mark DeRosa from first for the game-winning run.
ブルージェイズはあとアウト1つのところで、1塁、3塁にして、トロントで最初の野手である川崎を迎えました。彼は左中間にスライスする2塁打を放ち、マーク・デローサが1塁から生還し勝利を決める得点を挙げました。


"He hit it in the perfect spot there," Blue Jays manager John Gibbons said. "Especially with DeRosa running."
「彼はそこの最高の場所に打ちました」ブルージェイズの監督ジョン・ギボンズは言いました。「特にデローサが走者だったからです」(たぶんデローサは足が遅いのでしょう)

Kawasaki's hit made Johnson the losing pitcher, as he blew his fourth save in his last six appearances.
川崎のヒットはジョンソンを負け投手にしました。彼は最近の6回の救援で4回セーブに失敗したのです。


川崎選手のサヨナラ2塁打(動画)
Kawasaki's walk-off double05/26/1302:08
5/26/13: Munenori Kawasaki notches the first walk-off hit of his career, a two-run double to left center that gives the Blue Jays a 6-5 win
川崎宗則は生涯で初めてのサヨナラ打を刻みました。左中間に2点2塁打を放ち、ブルージェイズに6対5の勝利を呼びました


Kawasaki's interview is unforgettable
川崎のインタビューは忘れることが出来ません

FOX Sports
UPDATED MAY 26, 2013 8:27 PM ET

Munenori Kawasaki.
川崎宗則

Never heard of him? Well, you won’t forget him now.
彼のことは聞いたことがないって? でも、もう彼のことを忘れることはないでしょう。

The second-year infielder from Japan hit a walk-off double Sunday to lift the Blue Jays to a 6-5 win over the Orioles.
日本からの(大リーグ)2年目の内野手は日曜日にサヨナラ2塁打を放ち、ブルージェイズが6対5でオリオールズを破る原動力になりました

But that's not the reason you will remember him. This is.
しかし、それが彼を忘れない理由ではありません。これです。


川崎選手のインタビュー(動画)

マーク・デローサMark DeRosa 選手に続いて川崎選手がインタビューを受けます。

最初に、逆転のホームを踏んだマーク・デローサ選手 がインタビューを受けています。

”Mark,when munenori kawasaki showed up here,you said "I don't know what he is saying all the time"
「マーク、川崎宗則がここ(ブルージェイズ)にやってきたとき、あなたは彼が四六時中、何をしゃべっているのかわからないと言っていました」
"But he sure gives a lift to this team. He certainly did this afternoon,didn't he?"
「しかし彼はこのチームの力を押し上げてくれています。彼は確かに今日の午後もそうだったと思いますが」

"I mean,he is playing great. he is playing great."
「そうですね、彼は良くやっています。良くやっています」

"Here Come on, Muni.This is his interview."
「ムーニー、こいよ! このインタビューは川崎選手のものです」

川崎選手はムーニーMuniと呼ばれているようです。

インタビューをするアナウンサーはSportsnet reporter Arash Madani です。

"What do you have to say for yourself?"
「何か言いたいことはありますか?」
 この表現は何か悪いことをした人に何でそうしたのかその理由を聞くときに使うらしいのですが。例えば、裁判の被告の行為の理由、言い訳とか。この表現を使った細かいニュアンスはよくわかりません。

川崎選手が何をしゃべっているのか、インタビューをするアナウンサー(レポーター)は理解できなかったようです。

川崎選手のしゃべった内容は以下の通りらしい。

"Thank you very much! My name is Munenori Kawasaki! I am from Japan! I am Japanese!"
「どうもありがとう。私の名前は川崎宗則です。日本出身です。私は日本人でーーーーーーーす。」

"My teammates gave me an opportunity so I wanted to do something about it."
内容は最初に訳した通りです。

 デローサ選手は川崎選手のエネルギッシュなしゃべりに”I can't follow that"、フォローできないと言って立ち去ってしまいました。
インタビューの後に、川崎選手は大リーグで恒例となったシェイビング・クリームのパイとゲータレードのジュースを浴びます。
 パイを投げつけたのは仲の良いエミリオ・ボニファシオEmilio Bonifacio選手(LO VISTE、(それを見て!)のポーズを考え出した選手、この日は2塁の守備についていました)のようです。ゲータレードをぶっかけたのはホセ・バウティスタJose Bautista選手と他のチームメイトです。

Not sure what's the best part of the video: Kawasaki taking out his notebook, his exuberance during the interview or his teammates welcoming him with what's become a baseball postgame ritual.
このビデオのどこが最も良いところなのかはよくわかりません:川崎がノートを取り出しているところ、彼が夢中になってインタビューを受けているところ、あるいはチームメイトが野球の試合後の恒例の儀式で彼を歓迎しているところなのか?

Whatever it is, all we can say is we want to see much more of Kawasaki.
それが何であるにせよ、言えるのはただ私たちはもっと川崎のことを見ていたいということだけです。




posted by HANG IN THERE YU at 23:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | MLB | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月23日

腕の遅れと故障(中日、吉見一起投手の投球フォーム)

 中日ドラゴンズの吉見一起投手が右肘を故障し、内側側副靭帯再建術(トミー・ジョン手術)をするそうです。吉見一起投手は今回で3度目の手術になるそうです。吉見一起投手は昨年は右肘頭骨棘を骨折しており、それ以外にも肘、肩の故障を過去何度も経験しているようです。

 中日の投手には故障で選手生命を短くした人が過去にもいます。初先発でノーヒット・ノーランという快挙を達成した近藤真市投手、また中日ドラゴンズ史上最高の左腕、今中慎二投手もそうです。

 この3人に共通している投球フォーム上の問題点は腕が遅れて出てくることです

 具体的にはテイクバックで肘を背中側に大きく引き過ぎ、なおかつ肘を高く上げ過ぎている点です。前足を着地した段階でもまだ、肘が背中の後にあるために、肘を球速に前に出す必要があり、そのため前腕が遅れて出てきます。これは前腕には質量があり慣性(同じ速度を保つ性質)があるためです。

 こういう投げは良く言えば、腕がムチのようにしなるような投げ方と言えますが、肩、肘に大きな負荷がかかる投げ方でいずれ故障する危険性があります。

 近藤投手は2年目に肩の手術、4年目に肘の手術(トミー・ジョン手術)をしており、活躍できたのは2年間だけでした。
 今中投手は中日球団史上最高の左腕投手でしたが肩の故障に泣き、30歳という若さで引退しています。

吉見一起投手の投球フォーム
yoshimi kazuki inverted w.jpg
yoshimi kazuki 2007.gif
yoshimi kazuki slow.gif

近藤真市投手の投球フォーム、初先発でノーヒット・ノーラン
kondou  shinichi no hitter2 s1_15.jpg
kondou  shinichi no hitter2.gif
kondou  shinichi no hitter2 s1.gif

今中慎二投手の投球フォーム
imanaka shinji 1993 144km_13.jpg
imanaka shinji 1993 144km.gif
imanaka shinji 1993 144km s1.gif
http://kitchensink11.seesaa.net/auth/article_preview/

大リーグでトミー・ジョン手術を行なった投手の共通の投球フォーム上の形、逆W(inverted W)
両腕がWを逆さにした形になっている。肘をムチのように使う投球フォームになってしまい、肘の故障につながります。前足を着地した際に逆Wになっていると非常に危険です。
inverted W.jpg


理想的な肘の使い方(背中側に引かない、高く上げない)
ニューヨーク・メッツのマット・ハービーMatt Harvey
現在、大リーグで注目の投手(24歳)、メッツではトム・シーバー以来のエースと言われている。
緩やかなフォームから平均球速95マイルの球を投げる。
肘、肩を故障しにくい投球フォームで球速もあり、注目の投球フォームです
 


大リーグで300勝以上挙げるための投球フォーム上の秘密
(肩、肘に負担がかかっていない)
肩、肘を使って投げない

具体的には

@テイクバック(意識としては腕を下げるだけ)で、肘を背中側に大きく引かない、肘を高く上げない

A両肩と右肘が一直線上にくる姿勢のまま、腕を振らない(何もしない)

B下半身(股関節よりも下の部分だけ)だけを使う

 Aの姿勢を保ったまま、上半身は何もしないで、下半身だけを使って右肩が円軌道(直線的な動きはだめ)を描くように、スムースに加速させる。上半身は前足を着地した際、腹筋を使って上半身を前に倒すだけ。

 直線的な動きだと腕が前に出て行かない。

 円軌道だと遠心力で腕がひとりでに前に回転してゆく。

肩が円軌道を描くと回転ブランコのように腕はひとりでに回転するイメージ
ウィーンの回転ブランコ

Prater Turm 117m Wien.gif


イメージで投球方法を表現すると

右肩をスムースに円軌道をイメージしながらホームプレート方向に投げ出す(チャップマン投手の場合で言うと、キューバのミサイルのイメージ)

 投げ出したいのは右肩だけです。体の左側は必要ありません。

 右肩が素早く回転してさえゆけば、肩より下の姿勢はどうあろうと関係ありません。それは人それぞれの投球スタイルで違ってきます。体が開くとか開かないとかも関係ありません。極端な話、前足を着地しないでジャンプしたままでも問題ありません。ただ、前足を着地したほうがさらに右肩が加速するのでそうするだけの話です。上原投手は前足をほんの一瞬着地する程度です。ジャンプして投げている感じです。また、ニューヨークヤンキースのショートストップ、デレク・ジーター選手は三遊間の球を捕球した後、ジャンピングスローすることで有名です。右肩さえ回って行けば空中でも強い投球は可能です。また、バレーボールのジャンピングサーブも同様です。

 前足を着地する際は、体の左側が完全に止まるようにしなければいけません。

 イメージ的には左の股関節を2塁方向に逆戻りさせる意識を持つことが大事です。それで左の股関節がちょうど止まるようになるはずです。

トム・シーバーTom Seaver (1967-1988)
身長 6' 1" =約185.4 cm
体重 206 lb =約93.4 kg
大リーグ通算311勝205敗、防御率2.86の剛球投手
サイヤング賞3度受賞、ノーヒット・ノーラン1回。
tom seaver slow.gif
tom seaver super slow.gif

ドン・サットンDon Sutton(1966-1988)
身長 6' 1" =約185.4 cm
体重 185 lb =約83.9 kg
大リーグ通算324勝256敗、防御率3.26
23年間の大リーグ歴のうち21回で10勝以上の成績を残しました。また、故障者リストに載ったことがありません。
don sutton front side s5.gif
don sutton.gif
posted by HANG IN THERE YU at 07:44 | Comment(2) | MLB | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月19日

大リーグで主流の投球フォーム、日本人投手との違い

 大リーグで100マイル(時速161キロ)近くの球を投げるピッチャーはどういう投球フォームをしているのでしょうか。何か共通のフォーム、投球動作というのはあるのでしょうか。

まず、従来のオーソドックスな投球フォームから見てみましょう。
 @ノーラン・ライアンNolan Ryan
 ノーヒット・ノーランを7度達成し、大リーグの三振記録5,714を持っているノーラン・ライアン(現レンジャーズ社長)の投球フォームです。松坂大輔投手が手本にした投手です。球は100マイルを記録しましたが、コントロールは良くなく、大リーグ通算の9イニングあたりの四球数B/9は4.7です。9イニングあたりの三振数K/9は9.5です。

 三振王ノーラン・ライアン
nolan ryan.gif

 Aロジャー・クレメンスRoger Clemens
 大リーグ通算354勝、184敗、勝率.658、防御率3.12、三振率8.6/9回、四球率2.9/9回、サイヤング賞7回受賞。100マイル前後の速球と93マイル(時速150キロ)のスプリッターを投げます。

 ロジャー・クレメンス
 非常にバランスの良いフォームです。左足に全体重がかかるように体の重心が左足の上にあります。これは制球の良さ、球威にもつながる大事なポイントです。左脚が垂直よりも3塁側に少し傾いていますが、これを1塁側に傾くように胸を張るようにして重心の位置を1塁側にずらせば即、大リーグで主流の投球フォームに移行できます。
clemens.gif


 球速を上げる方法

 マリアーノ・リベラの投球フォーム
rivera arm angle 縦横回転.jpg 

@投げる方の肩の、縦回転の速度を上げる
 これはオーソドックスな方法です。日本プロ野球史上最速と言われている元阪急の山口高志投手、元ロッテの村田 兆治投手、ヤクルトの由規投手のように上体をおもいっきり水平になるぐらい速く倒すやり方です。
 短所:頭が上下に激しく動くので制球が悪くなることです。

村田 兆治投手のマサカリ投法
murata chouji kyojin.gif

肩の縦回転
投球縦回転.gif

A投げる方の肩の、横回転の速度を上げる

肩の横回転
投球横回転2.gif

 現在大リーグで主流の投げ方です。実際には肩の縦回転、横回転の速さを各投手が自分なりに組み合わせて投げています。大リーグ通算303勝、シーズン300奪三振6回のランディ・ジョンソンは、横回転が主体の投げ方です。上原投手は大リーグに来て横回転が主体の投げ方に変わりました。大リーグに移籍した他の投手、黒田、斉藤、松坂、ダルビッシュ投手も横回転の比率を高めてアメリカ的な投げ方に変わりました。

 @の方法は、制球に問題があるので、横回転で球速を稼ぐ方法が今や大リーグの主流となっています。右投手で言うと、前脚を伸ばしてこれを回転軸にして体を1塁方向まで回転させる方法です。

  現在大リーグで主流の投球フォーム

 今年2012年のオールスター・ゲームでは大リーグの最速記録105マイル(時速169キロ)を持つアロルディス・チャップマンと去年のサイヤング賞受賞者のジャスティン・バーランダーが101マイルを記録しました。また、ナリーグのクローザーのクレイグ・キンブレルが100マイルを記録しました。アメリカン・リーグのクローザーのフェルナンド・ロドニーが99マイルを記録しました。

 シンシナティ・レッズのアロルディス・チャップマン
chapman.gif

 デトロイト・タイガースのジャスティン・バーランダー、イチローを三振にとる
verlander.gif

 アトランタ・ブレーブスのクレイグ・キンブレル
kimbrel.gif

 タンパベイ・レイズのフェルナンド・ロドニー
rodney.gif
 この4人の共通点
 3塁側に向いた腰が一気に1塁側に向いています(右投手の場合)。

 腰の回転が速いです。

 前脚が伸びて傾きが垂直よりも1塁側に傾いている(右投手の場合)。これは体を1塁側に回転させるために必須の姿勢です。回転の遠心力に負けないようにするためでもあります。

 

 中でも、大リーグ最速記録105マイル(非公式には106マイル、時速171キロも出している)を持つチャップマン投手は1塁側に向いていた体が一瞬にして3塁側に向いています。軸足(後足)の蹴りが非常に強いのが1番の要因だと思います。バーランダー投手と比べると違いが良く分かります。チャップマン投手は蹴りが強くて動きが見えません。

 チャップマン投手が人類最速の106マイル、時速171キロを出せた秘密
 チャップマン投手は軸足の蹴り出しが驚くほど速い。重要なのはその際の膝の向きで、素早く膝をホームプレートの方向に向けて、前方上空に向かって蹴っている。セットポジションのままの向きで軸足を蹴ると強い蹴りは不可能である。この強い蹴り出しで一気に体の向きを反対方向に変えています。軸足の爪先側に体重をかけ、ここを支点にすることで素早く膝の向きを変えています。陸上短距離選手のように、曲がった足首を伸ばすように前方に蹴るので体は前方にジャンプするように飛び出して行きます。

チャップマン投手は前足を着地してから一気に体の向きが反対方向になる最大の理由

股関節、膝関節の内旋から外旋への動きが大リーグ最速の球速を生み出している
chapman rennsyu 内旋から外旋のコピー.jpg

 投球動作の最初の段階であるワインドアップ時のフォームが理にかなっています。上体が捻られ背中が捕手の方に向いていていますが、捻られているのは腰の位置で捻られているのではなく、股関節の位置で捻られています。骨盤をセンター方向側に回転させています。上体をホームプレート方向に回転させる動きは腰から上の捻りを戻すのではなく、骨盤そのものを回転させてその結果として上体がホームプレート側に回転してゆきます。腰の周囲の筋肉によって腰から上の上体の捻りを戻す動作は、非力で動作が遅く効率が良くありません。股関節を内旋しておいて、それから外旋することによって骨盤を回転させ、軸足の膝の向きがホームプレート方向側に向いてきたら、膝、足首、爪先を一気に伸ばし、骨盤の回転をさらに加速させています。

 チャップマン投手(左腕)は、前足を前に踏み出す段階からすでに、骨盤を素早く回転させています。その結果、前足を着地してから骨盤の回転がさらに加速するので、体の向きが1塁側から3塁側へと一気に反対側に変わっています。

chapman rennsyu side.gif
chapman rennsyu sides1.gif



 肩が素早い円軌道を描くので、腕は何もしなくても遠心力で自然に振り出されているように見えます。ボールのリリース近くまで、腕に力をいれず何もしないことが大事な気がします。それが肩、肘への負担をかけずに速いボールを投げる秘訣のようです。
 
 チャップマン人類最速106マイル、軸足の膝を素早く前に向けて蹴っている 
chapman step .jpg
chapman106slow1.gif
(1コマ1/20秒)

 右投手で考えると、前足(左足)を前に踏み出し膝を伸ばしたまま、左脚を軸にして、体を素早く回転させ、投球動作の最後には1塁側に体が傾く一連の動作です。

 背中を後ろに少し反らせながら左足を前に踏み出し、左足が地面に着くと、体を一気に回転させ、右手でフォロースルーを行い、体は一塁側を向きます。前脚の軸は遠心力に打ち勝つために1塁側に少し傾きます。

  右腕はあまり体に近づけないで、スリークォーターからサイドスローに近い腕の角度にしています。回転軸から距離があるほど速度が速くなるからです。
 左投手の場合には右足を軸にして、最後は3塁側に体が傾きます。

 他の大リーガーの多くも程度の差はありますが、同じように体の回転を主体にして球を投げています。この投げ方の長所を自分なりに推測すると、
 @球速が出る。
 身長が高くなくても、体の回転速度を上げることで、球速が出る。先にあげたペドロ・マルチネス、クレイグ・キンブレル、フェルナンド・ロドニーの身長はみんな180センチ程度と高くありません。

 A制球が良い。
 一定の姿勢(くの字姿勢)で体を回転させるので体が前のめりにならず、球の高低が安定する。前足一本で体を回転させるのでマウンドの傾斜の影響を受けにくいことも制球にはプラス。逆にマウンドの傾斜を利用して体の回転を加速でき、球速が出やすくもなる。

 B体を一塁側まで回転させ、球のフォロースルーを長く取れるので、ボールのリリースポイントも前に来て、球の回転が良くかかり、球が良く変化する。
以上が考えられます。

 今まであまり気にしていませんでしたので、いつからそうなのかわかりませんが、この投げ方が今や大リーグの主流のようです。誰がこの投げ方を始めたのかは良く知りませんが、1960年代にサンディー・コーファックスとともに活躍した、サイヤング賞も受賞した右の剛球投手ボブ・ギブソンは極端に投球後一塁側に体が傾いた投げ方をしているのを知りました。もしかしたら、この人が元祖でしょうか。

 1960年代に活躍したボブ・ギブソンBob Gibson
gibson.gif

 その後の有名な投手では史上最強右腕と言われたペドロ・マルチネスがこの投げ方をしていました。彼はサイドスローに近い投げ方をしていました。身長は180センチ足らずなのに、全盛期には100マイル近い球を投げていました。ペドロ・マルチネスの投げ方を多くの投手が参考にしたのでしょうか。

 史上最強右腕ペドロ・マルチネスPedro Martinez(ヤンキース戦で17三振)
pedro martinez17k.gif

 藤川球児投手は火の玉ストレートで有名ですが、大リーグで火の玉投手といえばボブ・フェラーが有名です。1936年に17歳で大リーグにデビューしその年に1試合で17三振を奪う活躍をみせ、大リーグ通算で7度の奪三振王に輝きました。まだスピードガンがなかった1946年に、107・9マイル(約174キロ)を記録したともいわれています。陸軍の測定装置によりホームプレート上で98マイルを記録したそうです。

 大リーグの火の玉投手ボブ・フェラーBob Feller(時速174キロを記録したと言われている)
bob feller.gif
今大リーグで主流となっている、投球後半に体が1塁側を向く投球フォームです。肩の横回転が主体の投法です。ボブ・フェラーの方がボブ・ギブソンよりも先にこういうフォームで投げていました。

ボブ・ギブソンと同時代に活躍したハイ・キック投法の象徴のような投手、ドミニカ出身のフアン・マリシャルJuan Marichal(1960-1975)、身長 6' 0" =約182.9 cm、体重 185 lb =約83.9 kg
大リーグ通算243勝142敗、防御率2.89。注目すべきはダイナミックなフォームから予想できないそのコントロールの良さで、四球率1.8/9回、元はサイドハンドスローの投手でした。サンフランシスコ・ジャイアンツで大リーグデビュー。その後ジャイアンツに14年在籍。
肩の縦回転が主体であるが、上体が一塁側に傾くので、肩の横回転もあります。体全体で投げているためか故障もなかったようです。肘はあまり曲げておらず、腕は胴体と一緒に回っており、腕は意識して振っていないように見えます。怪我もなく、制球、防御率も良く、200勝以上達成したフアン・マリシャルの投球フォームは注目に値します。

フアン・マリシャルJuan Marichalの投球フォーム
juan marichal.gif
フアン・マリシャル究極のハイキック投法


大リーグで主流の投球フォームで初めて300勝を達成した投手ドン・サットンDon Sutton(1966-1988)
身長 6' 1" =約185.4 cm
体重 185 lb =約83.9 kg
通算324勝256敗、防御率3.26、三振率6.1/9回、四球率2.3/9回。制球の良い投手で、それが理由のひとつなのか、18年連続10勝以上の成績を残しました。ドジャースで大リーグにデビュー。その後15年ドジャースに在籍しました。怪我とは無縁の投手で、故障者リストに載ったことが一度もありません。同じドジャースの先輩サンディ・コーファックスのような圧倒的な投球ではありませんが、安定した成績を残しました。

ドン・サットンDon Suttonの投球フォーム
don sutton.gif

大リーグで主流の投球フォームに大きな影響を与えたと思われる日本人投手

 それは日本人が大リーグに進出するきっかけを作ったパイオニア野茂英雄投手です。
 投球後半は上体が一塁側に向く投げ方ではありませんが、ワインドアップで上体を大きく2塁方向にまで捻るトルネード投法は、現在のアメリカで主流の投げ方に大きな影響を与えたのではないかと思われます。野茂い投手が大リーグにデビューした年以前に、あのように上体を捻る投手は大リーグにいなかったのではないでしょうか。このモーション抜きには現在の投球方法は成立しないと思います。

野茂投手のトルネード投法
nomo tornado pitching form.gif
野茂対バリー・ボンズ
nomo vs bonds.gif

 
 では、現役の日本人大リーガーはどうでしょうか。

 制球の良い上原投手が一番近い投げ方をしています。極端に一塁側に傾きはしませんが、左足を軸にして素早く回転してコンパクトなフォームで投げています。大リーガーと同じく腰の回転が速く、日本人大リーガーの中では1番です。球速はあまりない(89マイル、時速143キロ程度)のですが球の回転が非常に高く(フォーシームで2500rpm程度)、打者の多くが空振りをしてしまいます。

 上原投手
uehara0515.gif

 同じく制球の良い黒田投手も近い投げ方をしています。調子の良い時ほどその傾向が強いです。6月30日シカゴ・ホワイトソックス戦で11三振を奪った試合がそうでした。

 黒田投手ホワイトソックス戦で奪11三振
kuroda.gif
 
 ダルビッシュ投手は4月が一番調子が良く、ヤンキース戦では11三振を奪い圧倒的な投球をしました。しかし、5月になってからは調子が徐々に下がり、シーズン後半では防御率も4点台半ばになり非常に苦労しています。
 11三振を奪った4月24日ヤンキース戦と、6回2/3イニングで6失点した8月6日レッドソックス戦の投球を比較してみましょう。
 ヤンキース戦での投球では膝が少し曲がって、少し前かがみではありますが、回転を使った投球で躍動感があります。
 一方、レッドソックス戦では膝が伸びて背筋も伸びて悪くないフォームですが、左足を軸にした体の回転がなく、ヤンキース戦の時に比べて躍動感がありません。
 2つの投球フォームの良いところが合わさると、完璧な投球フォーム、投球動作だと思います。恐らく、球速もあがり、球の動きも良くなるでしょう。

 ダルビッシュ、ヤンキース戦で奪11三振
darvishyankees.gif

 ダルビッシュ、レッドソックス戦で2塁打7本を打たれた試合
darvish2.gif

 ダルビッシュ15勝目、2012シーズンは最終的にこのフォームになりました(球速93マイル)
 4月24日ヤンキース戦のフォームと比較すると、腰の回転が速くなっています。
 左脚が曲がり過ぎているのと、上体を前に倒し過ぎたままにしているためか、左足を着地したとき体の重心が少し左足よりも3塁側にあるため、まだ体がスムースに1塁側に回転して行きません。
darvish15.gif 
darvish15slow3.gif

 上原投手は巨人時代は左足を着地したときに左膝を曲げていましたが、大リーグに来てからは伸ばすようになりました(1999入団1年目)
uehara knee1999.jpg

 黒田投手も広島カープ時代は左膝を曲げていましたが、今は左膝を伸ばすようになりました。
kuroda1999 knee2.jpg

 ダルビッシュ投手もヤンキース戦の頃に比べて膝の曲がりが少なくなってきましたが、まだ曲がりが大きいので膝を伸ばしたときに脚が後ろに動いて体の回転が滑らかではありません。体の重心も左足の上に来ていません。上体が前かがみ過ぎて重心が3塁側に少し流れる状態で、無理やり体を1塁側に回転させているので、左足を蹴ったときに足が後方に大きく動いています。

 ダルビッシュ投手は、左膝を伸びして、体の重心の位置を直せば、球速はもっと増し制球も良くなると思います。球速も100マイル近くになると思います。

 ダルビッシュ投手は今シーズン終盤にセットポジションをチャップマン投手のように前かがみにして、最初から軸足の爪先側にに荷重がかかるように修正してフォームは良くなりました。
 しかし、軸足の膝の向きをホームプレート側に向けるのが遅く、蹴り出すタイミングも遅いようです。チャップマン投手、黒田投手は軸脚の膝をホームプレート側に向けてから蹴っています。そのため、ダルビッシュ投手は重心も低くなりがちで、前脚の膝も曲がり過ぎになっているようです。また、軸足を蹴り出す強さもチャップマン投手、黒田投手よりも弱いように見えます。

 ダルビッシュ投手はフォームの修正能力が高いので、来年は期待できそうです。変化球は大リーグでも超一流であることが今年証明されたので、速球が確立されたら打者はもうunhittable(打つことが出来ない)になる気がします。そうなれば、来年はサイヤング賞が期待できると思います。

 大リーグに来て1年目から大活躍した斎藤隆投手

 1994年横浜時代の斉藤隆投手の投球フォーム。
saito1994slow2垂直_32.jpg
 左足の上に体の重心が来ている点に注目。
 体が3塁側に流れていない。左脚が垂直になっている。重心の位置が良く、投球後左足一本で立っていられます。
 日本人投手は3塁側に体が流れる選手が多いです。
 体が3塁側に流れる日本人選手は大リーグでは成功していません。
 大リーグで成功している選手、黒田投手、上原投手、斎藤隆投手は左足のバランスが良く、体が3塁側に流れていません。
 松坂投手は左足のバランスが悪く、重心の位置が安定していません。ほとんど体が3塁側に流れています。ダルビッシュ投手も少し体が3塁側に流れています。
saito1994slow2.gif

 2011年10月ブルワーズでポストシーズンの試合に登板した斉藤隆投手
saito20111017slow2.gif
 斉藤隆投手は大リーグに順応するのが速かった投手です。ドジャースに入団し、1年目から大活躍しました。今年は怪我でよい結果を残せませんでしたが、大リーグ通算7年で防御率が2.34と日本人メジャーリーガーで最高の数値を残しています。斉藤隆投手は日本人メジャー最高球速となる99mph(約159km/h)も記録しています。日本でよりもアメリカでの成績の方が良いのは驚きです。

 横浜時代の投球フォームを見てみると、オーソドックスなフォームですが、マリアーノ・リベラのように体の重心が左足の上にあり非常にバランスの良いフォームをしています。これが大リーグで1年目から成功できた要因だと思います。斉藤投手はドジャースでの1年目に24セーブを挙げ、防御率は2.07でした。2年目には39セーブを挙げ、防御率は1.40でした。また投球フォームをアメリカ的に変えたのもアメリカで成功した秘密だと思います。

 左膝は深く曲がっていますが、2011年ブルワーズ時代の投球フォームを見ると、左膝の曲がりが少なくなっており、投球の最後には体が1塁側に向くようになっており、アメリカ的なフォームになっていました。このフォームの変更のおかげで球速が日本で投げていたときよりも速くなったのだと思います。
 現在のダルビッシュ投手と似たフォームです。左足を蹴ったとき左足が後ろへ大きく動く所は特に良く似ています。斉藤投手の他の投球シーンで、左膝の曲がりが少ないときは足の後ろへの動きは少なくなっています。この動きは左膝の曲がりの大きさだけが原因ではなく、体の重心の位置にも関係しています。少し重心の位置が3塁側に来すぎているためか、左足を蹴ったとき左足が後ろへ大きく動いているのだと思います。

 松坂大輔投手の投球フォーム
 西武時代には上体を前に速く倒すことで球速を稼いでいました。大リーグに移籍してから、上体を前に倒さなくなり、代わりに1塁側に向けるようになりました。別の表現では、肩を縦に振ることから横に振る、つまり肩の縦回転から横回転に変わったと言えます。

 松坂大輔投手、入団5年目、2003年西武時代、時速153キロ
 左足を着いたときの体のバランスが良くありません。全体重がクレメンスのように左足にかかっていません。体の重心が左足よりも3塁側にずれていて、体が3塁側に流れています。
 左足一本でバランスよく立っていられるように、左足の上に体の重心(大体へその位置)が来るのが投球の基本です。制球の良いマリアーノ・リベラの投球フォームもこの基本を守っています。この基本ができていれば、体の重心を少し左足よりも3塁側(背中側)にずらすことで、アメリカで主流の投球スタイルへ容易に移行できます(さらに前脚の膝を伸ばす必要があります)。斉藤隆投手が1年目からずっと活躍できたのはこの左足のバランスの良さにあると言えます。
 また、右足の蹴りが非常に弱いのも気になる点です。これでは腰の回転が弱くなり、左膝を曲げながら意識的に体を前に倒すことになり、頭が下に急激に動き制球を乱し、肩、肘への負担もかかります。
matsuzaka2003153.gif


 松坂大輔投手、2012年初勝利、大リーグ通算50勝目、93マイル、時速150キロ。
 この投球の時に限っては体の重心の位置は良く、大リーグの主流と比べて違っているのは、左膝の曲がりが大き過ぎて体がスムースに1塁側に回転していないことと、踏み出す歩幅ストライドが狭すぎて球速が出にくくなっている点です。
また、右膝の曲がりが大きすぎて蹴る力が弱く、これも体が速く1塁側に回転していかない原因です。
松坂投手は投球のほとんどで重心の位置が悪く、3塁側に体が流れているのが気になります。

 松坂投手は現在、フリーエージェントになっており、昨年手術した肘の状態も来年はもっとなりそうなのでお買い得の投手と呼ばれています。大リーグで50勝を挙げて実績は十分で、しかも年棒が現在の8億円から1年契約の1億円台に下がりそうだからです。

 膝、歩幅ストライド、重心の位置を修正すれば来年はその言葉通りになるかもしれません。きっかけさえあれば、投手は大きく化ける可能性があります。
 元阪神、現在サンフランシスコ・ジャイアンツのボーゲルソンは35歳にして今年ワールドシリーズで1勝、プレイオフ全体では3勝を挙げて大活躍でした。
また、タンパベイ・レイズのフェルナンド・ロドニー選手はロサンゼルス・エンゼルスから今年移籍し、2011年度の防御率4.50から今年は大リーグ記録となる防御率0.60に下げました。セーブ数は48(セーブ機会50)でアメリカンリーグのセーブ王になりました。さらに、カムバック賞、最優秀救援投手賞も受賞しました。
 松坂投手には来年ぜひカムバック賞を取ってほしいと願っています。
matsuzaka20120827slow2.gif



 最後に7月30日ブルージェイズ戦で13三振を奪って2勝目をあげた岩隈投手の投球です。左足を軸にした回転による投球ではありませんが、13個目の三振は少しそれに近い投球でした。

 13三振を奪った岩隈投手の13個目の三振
iwakuma13.gif

 日本人投手も大リーグの主流の投球をした方が良い結果が出るようです。これから大リーグを目指す日本人投手は、早くからこの投球フォームを習得した方が良さそうです。

大リーグで主流の投球フォームと日本のプロ野球投手の投球フォームの違い

 両者の違いは球速を稼ぐ方法の違いから生れます。

 大リーグでは腰の回転を速くすることで球速を稼ぐ。

 日本のプロ野球は上半身を前に速く倒すことで球速を稼ぐ。
 山口高志投手、村田兆治投手(マサカリ投法)、ヤクルトの由規投手が代表的な投手です。しかし、この3人のように上半身を大きく倒すと頭が大きく下へ動くので制球が悪くなる欠点があります。

 具体的なフォームの違い

大リーグ
 @前脚の膝をあまり曲げずに着地し直ぐ真っ直ぐに伸ばす
  膝が曲がっていると腰の回転が素早く出来ない。また、くの字姿勢のまま体が素早く1塁方向まで(右投手の場合)回転できない。重心は高めになる。

 Aクローズドスタンス(セットポジションで前足を上げたとき背中を十分に打者の方に向ける)

 B体の重心の位置が前足よりも1塁側にくる(右投手の場合)
したがって、右投手の場合、前脚の軸が垂直よりも1塁側に倒れる。これは、体の回転が速いので遠心力に打ち勝つために必要です。
kimbrel10normalkatamuki_21.jpg

日本
 @オーソドックスなフォームの投手が多く、前脚の膝をノーラン・ライアンのように深く曲げている。
  これは、上体を前に倒すことで右肩を前に出し球速を稼ぐためです。
  ダルビッシュ投手も左膝が曲がっていて重心は低めです。

 Aスクエアスタンス(セットポジションで前足を上げたとき左肩と右肩を結んだ線がホームプレートに向く)

 B体の重心の位置が前足を通過するか、ノーラン・ライアンのように前足よりも3塁側にくる(右投手の場合)

 楽天、田中マー君のフォーム、2011年8月27日ソフトバンクス戦で奪18三振
 体の重心の位置が左足よりも3塁側にあるため体が3塁側に流れています。
tanaka20110827softbanks18sanshinyamasaki.gif

 日本人最速をマークしたヤクルトの由規投手
yoshinori161.jpg
 日本プロ野球史上最速(160キロは超えていたらしい)の山口高志投手のようなフォームをしています
yoshinori161.gif
yoshinori161slow3.gif

 山口高志投手の投球フォーム(左足の膝が曲がっていない点に注目)
yamaguchi maeasi .jpg
山口高志投手の投球フォーム(動画)はここをクリック

 由規投手と山口高志投手の共通点
@前脚の膝は曲げないで伸ばす
A上体を思い切り速く大きく前に倒す
Aは@を行なうと、下半身に急ブレーキがかかり、上体だけが前に飛んでゆくので自然とそうなってきます
膝を曲げると腰がどうしても前に移動してしまいます。膝を思い切り曲げて重心を落とすと、下半身のブレーキはかかりやすくはなりますが、膝を伸ばした方が良い結果が出ます。また膝を曲げすぎると腰の回転がしづらくなる欠点があります。だから、アメリカの主流は膝を伸ばすのだと思います。

 由規投手と山口高志投手の相違点
 由規投手の方がストライド(歩幅)が大きく、右足の蹴りが強い。現代流の投球方法に進化させています。

 由規投手は腰の水平方向の回転をあまり使ってないので、体の重心を1塁側にずらせば、大リーガーのように腰の回転が速くなり、球速もさらにアップしそうです。上体を前に倒す大きさを少し減らして、前脚を軸に体を1塁側に回転させるようにすれば、球速を減らさずに制球も良くなり、肩、肘への負担も減るでしょう。
 由規投手は球速は出るのですが、制球が良くありません。2011年度までの四球率/9回が3.9です。重心の位置が低いので軸足の蹴り出しのタイミングを早くして重心をもっと高くすれば、クレイグ・キンブレルのように目線の高さが一定となり制球はもっと良くなりそうです。

 日米のフォームの比較から導かれる点
 速い球を投げるのに必要なポイント
@前脚を伸ばす
 膝を少し曲げて着地して素早く伸ばす
A前足を着いた時の重心の位置を投げる手の側にずらさない(ロジャー・クレメンス、マリアーノ・リベラのように)
 そうすると、右投手では下半身が前に流れ、体が3塁側に流れ、球速が上がらない。肩、腕で球速を稼ぐために制球も悪くなり、肩、肘への負担が大きくなります。故障にもつながります。肩、肘の手術をした投手を見るとそうなっている選手が多いようです。五十嵐投手、松坂投手、村田兆治投手等。

 重心の位置は最低でも、前足の上を通過するようにする。

 アメリカの主流は(右投手の場合)重心をさらに1塁側にずらし、最後は上体が1塁側に向きます。
 重心のずらしは前足を着地してから、背中を後ろへ少し反らせて行います。前足を着地するときはあくまで重心は左足の上というよりも、体の重心が前に進んで描く軌跡の延長線上にある必要があります。

 参考にするべき大リーグの投手は誰が良いのか?
 参考にするポイントは
 @球速が出やすい
 A制球が良い
 B肩、肘を怪我しない(肩、肘への負担が少ない、つまり下半身を効率よく使っている)
 
 この基準からすると、ノーラン・ライアンよりもロジャー・クレメンスの方が優れています。ノーラン・ライアンはスピードを優先したため制球が悪くて、サイヤング賞は取れませんでした。ノーラン・ライアンを手本にした投手は、松坂投手のように今の時代に適応するのに苦労します。松坂投手はロジャー・クレメンスを手本にしていれば大リーグでもっと成功したと思います。
 
 上の3つを同時に成立させている大リーガーを1人挙げるとすると、私はアトランタ・ブレーブスのクレイグ・キンブレルを推奨したいと思います。Bについては年齢が24歳とまだ若く完全には証明されていませんが、今のところ問題はないようです。
 チャップマン投手の投球フォームもキンブレル投手と甲乙つけがたい良さがあります。特にセットポジションからの投球フォームは頭の動きも少なく理想的な投球フォームです。この二人の良いところを取り入れれば、人類最高のフォームになるかもしれません。
 セットポジションからのチャップマン投手の投球、103マイル(時速166キロ)
chapman103set2012.gif

 球速よりも制球、肩、肘への負担を重視するならば、マリアーノ・リベラを推奨します。マリアーノ・リベラは制球が良く、20年近く肩、肘に大きな怪我せずに投げて、実績を残してきました。大リーグ記録となる608セーブ、大リーグ通算18年間の防御率は2.21です。
 
 クレイグ・キンブレルが凄いのはスピードとコントロールを両立させているからです。
 一般的にスピードを重視するとコントロールが乱れがちになるものです。
 キンブレルは無駄な動きがなくエネルギー効率が非常に良いコンパクトなフォームをしています。

 今、大リーグで最も三振奪取率が高い投手はアトランタ・ブレーブスの若きクローザー、クレイグ・キンブレルです。キンブレルの平均球速は96.8マイル(時速156キロ)、最速100マイル(時速161キロ)、三振奪取率は16.7/9回で、3人の内2人は三振という凄い成績を残しています。身長は180センチしかありませんが、筋力トレーニングの成果だと思いますが、ガッシリとした筋肉のかたまりのような体型をしています。
 キンブレルは球が速いだけではありません。制球も非常に良く、2012年度の四球率は2.0/9回です。

 キンブレルはまだ24歳と若く、Bの肩、肘への負荷がこの投球フォームでどれぐらいかかっているのか、本人しかわかりませんが、ビデオで見る限り足腰を効率的に使って、球速を稼いでいるように思えます。このまま怪我がなければ大リーグ史上最高の投球フォームだと私は思います。

@まず、膝の曲がりが非常に少ない点が挙げられます。
 膝を深く曲げて伸ばすのは非常に膝への負担がかかります。キンブレル投手は軸足も前脚も膝の曲がりが少ない。

A体のバランスが非常に良く、いつも同じフォームで投げられる。
 重心が右足の上からまっすぐホームプレートへ向かい、左足はその重心の描く軌跡の延長線上に来ています。
 左腕を肩の高さまで水平に上げバランスをとって、体の軸が傾かないようにしています。

B頭の動きが少ない
 これはコントロールを良くするために重要なポイントで、上原投手のコントロールの良さもこれに由来していると思われます。キンブレル投手は頭の上下動だけでなく、頭が1塁側に流れる動きも他の選手に比べて少ない。
 頭の上下動が少ないのは左膝を少し曲げて着地し、すぐ伸ばしているからです。そのため上体が前に倒れて頭が下に動いても、膝を伸ばすことで上体が上に動くため、頭の上下方向の動きが相殺されるためです。

 キンブレル投手の頭の上下動が少ない秘密
kimbrel superslow side.gif

 頭が1塁側に流れる動きも他の選手に比べて少ないのは、体の重心を左足から1塁側に大きくずらさないで左脚の軸の傾きを必要以上に1塁側に大きく傾けないためです。
 また、左足をクローズド気味に少し3塁側に着地させているためです。
kimbrellanding .jpg

C頭がいつもホームプレートの方を向いている。左手のグラブを脇に抱えたまま最後まで下げない。
 これは非常に大事な点で、命にかかわります。
 大リーグの主流の投球フォームでは、投球後半に体が1塁側に向くので打者の打球が右側頭部を直撃する可能性があるからです。

 今年、オークランド・アスレチクスの先発ブランドン・マッカーシー投手はエンゼルス戦で、打者のライナー性の当たりが右の側頭部を直撃し、その場に倒れました。側頭部を骨折し、危篤状態に陥りましたが、幸いに手術後の経過も良くまた野球ができそうなので安心しました。
 マッカーシー投手は左手のグラブをまっすぐに下げていました。
 マッカーシー投手の頭部に打球が直撃(動画) 

今年のタイガース対ジャイアンツのワールドシリーズでもこれと似た場面がありました。
 タイガースの先発ダグ・フィスター投手が同じくライナー性の打球が頭にぶつかりましたが、ボールは大きく跳ねセンター前まで飛んでいったので、ダメージは少なかったようで本人は7回途中まで投球を続けました。フィスター投手も左手のグラブをまっすぐに下げていました。
 フィスター投手、頭にボールがぶつかる(動画)
 

スポーツ用品は【ミズノ公式オンラインショップ】

タグ:投球分析
posted by HANG IN THERE YU at 14:01 | Comment(20) | TrackBack(1) | MLB | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする